これも最近受けた質問です。神経ブロックや痛み止めではなく、原因を治療しないと意味がないのではないか、と考えておられました。
まず、痛みを止めるということの意義についてです。痛みが長く続くと、体を動かさなくなって、血流が悪くなり、また痛みが増すという痛みの悪循環に陥ります。そのうち気持ちも落ち込んでますます痛みが取れなくなります。神経ブロックで痛みを取ったり血流を良くしたりすると、この悪循環が断たれることになります。痛くない、少し動こう、そして血流が良くなり治っていく、というわけです。痛みを一次的にでも止めるのは、とても意義のあることです。
次に原因の治療についてです。神経ブロックの種類はたくさんあります。その中から、痛みの原因や部位によってその方の症状に最も合っているブロックを提案します。原因となっている骨や神経などの異常を元に戻すことは出来ませんが、そこで痛みを発している炎症や血流不足を改善するわけです。例えば椎間板ヘルニアがあっても痛みがない人も沢山います。ヘルニアがあるという状態は変わらなくても炎症や血流不足が改善すれば、痛みなく過ごすことは出来ます。
また、違う角度から原因の治療をするために、
当院では東洋医学的診察を行います。脈、舌、腹部を診察して現在の体の状態や体質を探っていきます。血のめぐりが悪い、体が冷えている、水の滞りがあるなど、体の不調を捉えて、その人のその時の状況に合った漢方薬を飲んでもらいます。痛みも体質も千差万別です。東洋医学はオーダーメードの治療だと考えています。神経ブロックや東洋医学的治療が、必ず原因の治療になるわけではありませんが、痛みで日常生活が阻害されることがない状態にすることは可能であると考えています。